顧みすれば
第27章 目覚め
出国ゲートを抜け
それぞれの搭乗口へ向かう。
「ロイド王子、またお会いしましょう」
私は握手を求めた。
私の手を見つめた王子が聞く
「もし、私が王子でなく
王になる身でもなかったら
君は私のそばにいてくれるか?」
私は小さく頭をふった。
「王子、
人生に if はありません。
もし、私がアミになることがなかったら
王子に出会うことはなかったでしょう」
王子は微笑んだ
「そうだな。
すべては必然。
私は私のすべきことに邁進しよう
ありがとう 紗英
また会おう」
握手を交わし
私たちは背を向けた。
それぞれの場所に向かって。