テキストサイズ

顧みすれば

第29章 失われた時を

ひとしきり泣いた私は

落ち着きを取り戻した。



車は卯月の前で止まった。

 
「じゃあ、紗英ちゃん考えてくれ。

 
 女将によろしくな」


そういっておじさまは仕事へ戻っていった




私は卯月を見つめていた。



銀座の百貨店の裏


そう広くはない土地に


ひっそりと料亭が佇む



その料亭は一見さんお断り



限られた人だけが入れる



日本中のトップといわれる


男たちが目指す店



 卯月

ストーリーメニュー

TOPTOPへ