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顧みすれば

第30章 決意

「で、この先はどうするんだ?」


「少し日本を離れてみようかと。

 まだしばらく治療にも時間が

 かかりそうなので」


「そうか。

 わかった。退職の件は進めておくよ。

 気が変わったらいつでも戻ってこい」


課長が優しく笑った。


「ありがとうございます。

 大変お世話になりました」


私は立ち上がり深く頭を下げた。


「私も将来は木下建設の社長だ。

 いつか卯月の座敷に上がれるような

 立派な社長になるよ」


課長は私の目を見て言った。


「お待ちしております。


 木下さま」


私は再度深く礼をした。




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