テキストサイズ

顧みすれば

第32章 もう一度 

しばらくすると

奈々と百合から結婚式の招待状が届いた。


ブーゲンビリアの咲き誇る

ホテルの中庭で

幸せな招待状の返事を書いていた。



――あ、シェスタに入る前にこれ出さなきゃ



フロントに戻り

郵便を出しに行くと言ってホテルを出る。



高台に建つホテルの外へ出ると

地中海からのさわやかな風が吹いていた。

深呼吸をして胸一杯に潮風を吸い込む。


街へ降りる路地の階段を急ぎ足で降りていく

二人の結婚で幸せな気分になり

足も自然と軽くなる。


鼻歌を歌いながら長い階段を降りていく。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ