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顧みすれば

第32章 もう一度 

堤防に向かって手を繋いで歩く


「なあ、紗英

 
 俺、ずーっと好きな子がいてさ。


 今でもその子が忘れられなくて


 嫌われてんのに追いかけてきたんだ」



繋いだ手に力を込める



「俺、ガキだったから

 その子に好きだって言えずに傷つけた。



 ほんとはその子と恋がしたかったんだ。



 大好きだって抱き締めたかった。


 毎日側にいて


 その子の笑顔を見続けたかった」



そして、私の瞳を捕らえる


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