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顧みすれば

第34章 新たな扉

全身が震え 目眩がする



直哉さんに支えてもらえなければ



立っていられない...



なぜ今更...



ロイド王子...




「やっぱり無理だ 紗英


 車に戻ろう」



「紗英、すまない。


 どうしても君に 君に見てほしかった」




ロイド王子が私の手を握る




「君を苦しめるために連れてきたのではない



 希望を見てほしいんだ」




暗くなりかけた視界から


ゆっくり顔を上げる。



建物からは美しい歌声が聞こえてきた。





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