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顧みすれば

第34章 新たな扉

「本当はこの建物は事件のあと


 取り壊す予定だった。


 サハド王にとっても辛い場所だから」


ロイド王子は感慨深く建物を見つめた。


「しかし、私が頼んだのだ


 私の諌めの場所として残してほしいと。


 私は自分の欲を押さえきれずに


 大切な人を深く傷つけ 


 生死をさ迷わせた」



ロイド王子が私を見つめる。


「この先良いときが続いても


 悪いことが起きても


 この場所から始めようと思う。



 自分の力が小さいことを忘れないために」


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