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顧みすれば

第38章 愛の行方

「紗英 あなた卯月で何を見てきたの?

 世界を相手に戦う男性を

 女一人で支えられるとでも思っているの?

 みんな愛人や妾の一人や二人いるものよ」



「...」



「それぞれ役割が違うのよ。 


 山下の奥さまだって

 ちゃんと心得ていらっしゃる。


 私みたいな女がちらつくのは

 正直気分のいいものではないでしょう。


 でも、山下の奥さまとして

 私のようなものにも

 ちゃんと礼を尽くしてくださってるわ

 それが財閥の奥様なの。


 愛人や妾の前で動揺など見せたら

 格下に見られるわよ」



わかっている。わかっているけど...


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