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顧みすれば

第7章 プレゼン

宮部さんが真っ赤な顔をして
目を大きく開いている

そして沈黙の後に放った言葉

「山下常務、とても嬉しいお言葉ですが、
 その、私はその、そちらでは、ないので
 お気持ちに応えることは、できかねますが‥‥」

しどろもどろな返事に
まわりの男性の雰囲気も微妙になった


???山下常務は腑に落ちない顔をする

ややあって、大爆笑し始めた

「あははははははは
 ひぃっ、そうか、そうだな!
 俺はあのニューハーフを強引に連れ出したんだ!
 そうか、そうだな。そう思うな はははははは」

暫く笑い転げたあと
ちょっと真剣な眼差しで


「あの子は 女 だ」


と、私に強い視線を投げてくる

私は凍りつく。
バレてる
なんで?!

「おんな?!ですか?」

「そう、女。だから宮部さんに仕込みかって聞いたの。」

「いや、てっきりそっちの子だと思ってましたよ。しかも、山下常務は連れ出しちゃうし、山下常務もそちらかと。」

最後は口ごもりながら宮部さんが答える

「悪いが俺はそっちの趣味はないんだ。もし、勘違いしていたなら、みんな、安心してくれ」

ニヤリと、一同を見渡す。


その一言で空気が和らいだ。

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