お前は俺のxxx
第105章 大切な…
【まこと】ーSideー
店先から結愛ちゃんの姿が見え、俺は結愛ちゃんに声をかけたが聞こえていなかったのか、そのまま走り去って行った。
俯いたまま走って行く結愛ちゃん。
チラッと見えた横顔…
涙で頬が濡れているように見えた。
(え…?何で泣いて…
つーか、颯太は一緒じゃねぇのか?)
『おい、お前ら。
店頼むぞ。俺出てくっから!』
『『え⁉︎⁉︎まこと先輩⁉︎』』
後輩に店を任せると、俺は結愛ちゃんが向かって行った方へと走った。
ポケットから携帯を取り出すと、颯太に電話をかける。
(クソっ。圏外かよ。)
こんだけの人混みの中から
見つけ出すのは困難だ。
颯太の奴はどこにいんだよ?
俺は地元の知り合いを見つけると、片っ端から颯太を探すように頼んだ。
何より結愛ちゃんを先に見つけねぇと。
結愛ちゃんは小柄だし、人混みに埋もれてたら見過ごしてしまうかもしれねぇ。
俺は見過ごさねぇように、浴衣姿の女の子を確認しながら通りを抜けて行った。