お前は俺のxxx
第107章 あの頃には…
【颯太】ーSideー
俺はあの日を最後にーー
結愛の存在を…
頭の中から消そうとしていた。
あいつと出会ってからの俺は…
長ぇ間ずっと…幸せな夢を
見ていただけかもしれねぇ。
今はまた…
あいつに出会う前の俺に戻っただけだ。
好きだとか煩わしい感情は必要ねぇ。
適当な女を抱く。それでいいじゃねぇか。
街を歩いてれば勝手に女は寄ってくる。
どんだけ女を抱いても…
空っぽになっちまった心だけは
なかなか埋まらねぇ…
あいつの…結愛の笑った顔が
頭に浮かんで消えていかねぇよ…
最近ベッタリくっ付いて
俺から離れようとしねぇ女。
今の俺にはもう誰だっていい…
でもこの女。やっぱウゼェわ。
酔ったとか適当なこと言って
勝手に上がり込んで来やがって。
マジふざけんなよ。
俺の服を引っ張り出して
勝手に着てんじゃねぇよ。
『誰この子〜?颯太の元カノ〜?』
女はタバコを片手に、俺があの時捨てたはずのプリクラを眺めていた。
『勝手に人の部屋ん中、漁ってんじゃねぇよ!』
俺は女の手から奪い取ると、開けっ放しにされたクローゼットの中に放り投げた。