テキストサイズ

モテモテ男の裏の顔⁉︎

第29章 何だよ…これ。



俺が歩き出すと、
日和は俺の後ろで派手に転んだ。



何やってんだよ…

ガキじゃねぇんだから
そんなとこで転けてんじゃねぇよ…


俺は溜息をつくと、日和の腕を掴み立ち上がらせようとした。



「痛っ…」



(は?そんな強く握ってねぇだろ。
転けて擦り剥いたんかよ。)



俺が制服の袖を捲ろうとすると、
日和は慌てて手を引っ込めようとする。



俺はそのまま袖を捲り上げた。



傷なんかじゃねぇ..
何だよこの痣。



まさかあいつら‼︎



俺は目の前の公園に入ると、
ベンチに日和を座らせた。



躊躇することなく制服の裾を捲り上げると、腕と同じように、身体の所々にも痣ができて腫れていた。



何で何も言わねぇんだよ‼︎コイツは‼︎



暗くて気付かなかったが、
顔も足も汚れたままだ。



俺は日和がポケットから取り出したハンカチを取ると、洗い場の水で濡らし日和の顔や足を拭いた。



このまま歩かせて帰んのはキツいか。


俺は携帯を取り出し、
仁ちゃんに電話をかけた。



『仁ちゃん悪い‼︎
ちょっと頼まれてくれ。』



『お前なぁ。今度は何だよ?』



事情は言えねぇけど、とりあえず来て貰えるように頼んだ。



『たく…。仕方ねぇな。待ってろ。』



仁ちゃんは文句を言うが、何だかんだでいつも世話を焼いてくれる。



俺もそんな仁ちゃんに、
甘えてばかりは要らんねぇけど…



しばらくすると、仁ちゃんが車で公園まで来てくれた。


俺は日和を支えながら歩き、
仁ちゃんの車に一緒に乗せた。


日和は恐縮しているが、仁ちゃんは気にする様子も無く日和から聞いた場所まで車を走らせた。


ストーリーメニュー

TOPTOPへ