
檻の中の女
第4章 新入り
泣き出しそうな顔で助けを求めている少女を、私はそれ以上見つめることができなかった。
それに私も、これからの時間は
誰かのことを気にしている余裕は
ないかもしれない。
私の身体にもチューブが繋がれている。
まだ何も始まっていないのに、
それだけで私のあそこが濡れ出しているのが…わかる。
(情けない…。こんな身体になってしまった。)
私は理科の授業で見た、パブロフの犬の実験を思い出した。
その実験では、犬に食事を与える時、
必ずベルの音を聞かせるようにしていた。
それを毎日続けることによって、
犬はベルの音を聞いただけで涎を垂らすようになったのだ。
(私もそれと同じ…。もう身体を自分でコントロールすることも、出来ない…。)
