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君の隣の相棒さん、∥

第6章 足りない(S)

足りない。

たりない。

タリナイ───。



何をしても足りない。

何を考えようとしてもやっぱりアナタのことばかりで、私の心はアナタで埋め尽くされている。


人から見たら私は異常だ。
他の人のことなんて考えられないくらいにアナタが好きで、好きで‥‥‥
時々、そんな自分が怖くなる。
そうやって狂って、気付いたらまた自分の首を絞めている。



────だけどアナタはそんな私には気付いてはくれない。
いつだって独り善がりで馬鹿みたい。


────ねぇ、見てよ。
他の人なんていいから、私だけを…。










『─────欲しい、』



喉から手が出るほどにアナタが欲しい。


だから早く、早く助けてよ。
私を、この苦しみから救いだしてよ‥‥





見上げた視線の先、そこにいたのはアナタが私に手を差し伸べてくれている姿があった。



────あぁ、こんなにも満たされた気分は初めてかもしれない。


やっぱり、私にはアナタしかいない。





(足りない)
(本当に欲しいのはアナタだけ、)

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