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君の隣の相棒さん、∥

第9章 紅い狼(学S)

一匹狼と呼ばれ、恐れられてきた。
無駄な喧嘩を嫌い、振りかざす拳は助けを求める誰かの為にあるのだと、いつかに彼女は言った。


いつも一人だった彼女には不思議と、クセ者たちが集まるようになっていた。



群れを嫌っていた彼女に“人に囲まれる”ことを教えたもの。

“人に触れる”ことを教えたもの。

“友達”や“仲間”の存在を教えたもの。

“愛する”ということを教えたもの。



全てが重なり合ったとき彼女が辿り着いた答え、それは‥‥‥



『────私は…、此処に居てもいいんだ』



自分の居場所がないと思っていた彼女に差し伸べられた温かく力強い光。

それは、“一匹狼”という彼女を変えていくものとなった。



















────また助けを求める誰かの声がした。
駆けつける先、待っていた仲間。
さぁ、行こうか。そんな仲間の言葉を合図に歩き出す。



今日も、紅い狼の正義の狩が始まろうとしていた‥‥。





(紅い狼)
(正義の拳。私は一人じゃない)

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