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天女

第3章 新たなる姫

「名乗る名など」

「名乗るのが礼儀だろう
弟にあたる芙蓉という」

「弟さんなんですか」

「……それより屋敷にきてほしいのです」

どうやら話は聞いてくれないらしい。

「悪いことはいわない天女は帰った方が良い」

そういうと
空からぽつぽつと
雨が降ってきた。

なんやかんやで気づかなかったが
向こうは曇ってきている。

さっきまで晴れていたはずなのに。

「さあ姫 雨に濡れないように
傘にお入りください」

「ありがとう」

独眞に向けられた顔は笑ってはいなかった。

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