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フーセンガム

第9章 波乱

(二宮side)

翔さんに、手を引かれて人がいない場所に連れてこられる。

櫻「あのね…」
「嫌だ!翔さんと離れるなんて嫌だよ!」

話されることなんて、別れ話ぐらいしか思いつかなかった。

櫻「ちっ、違うよ」
「なにが違うの!?」

他の男とキスして何を違うんだよ。

俺は怒りと悲しみでおかしくなりそう だった。

櫻「かず!俺は、かずが一番大切だよ」

肩をガッと掴まれて、言われる。

「で、でも!」

言葉を遮られて、抱きしめられる。

櫻「ごめん、キスしちゃって…」

さっきの、唇を重ねる二人の姿を鮮明に思い出す。

「バカっ」

口では、そんな強いことを言ってるけど目は、涙が流れていた。

櫻「あのね、あの人は…」

翔さんは、真っ直ぐに俺をみてその人との関係を丁寧に説明してくれた。

櫻「それで、急に手を引かれて…キスされた」
「………バーカ」

翔さんに背を向ける。

安心して、顔がどうしてもほころんでしまう。

櫻「かず?」
「もう、かえ…」

歩き出すと手をグイッと引かれて、翔さんの胸に体がおさまる。

櫻「好きだよ」

髪にサラッと触れて、そのまま頬に手を添えられる。

櫻「キスするね」
「いちいち言うなぁ~」

キスをして、そのままわかれた。

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