溺愛禁止。
第8章 後悔
蓮君…
嘘ついてごめんなさい。
私は蓮君を外に追い出した後
その場に泣き崩れた。
しばらくしてから部屋の中に戻ると
私があんなに泣いていたにも関わらず
初めて入った人の部屋で
圭一はスマホをいじりながら寛いでいた。
よく見ると…
「それ私の?」
私のスマホを操作していたのだ。
「何してるの?」
「はい、完了。
元に戻してあげたから。」
私の所に返されたスマホのアドレス帳には…
「俺だけ登録されていればいいんだから。」
圭一の名前しか無かった。
呆然とする私に
「ちゃんと会わないって言ってくれて
ありがとう。」
そう言って、圭一はヘラヘラと笑った。
笑顔って、
こんなに憎たらしいものだったっけ?
圭一を笑顔にさせるために
蓮君にあんなこと言ったんじゃない。
私は…
蓮君を守るために嘘をついたのに。