テキストサイズ

◇マグノリア◇

第1章 娼年

【智side】


智「ぁっ…、ぁっ…ぁっ…」


俺の上で男が動く。


その動きに合わせるように、膝裏から高く抱え上げられた自分の両脚が男の肩でガクガクと揺れる。


肩越しに映るシャンデリアをぼんやり眺めていたら、俺を見下ろしている男とガッツリ目が合ってしまった。


途端、そいつは気色の悪い笑みを薄い口唇に浮かべたと思えば、焦らすようにゆっくり出し挿れを開始する。


粘着音が部屋に響く度に俺は悲鳴を上げた。


智「っふ……んっ…ぁん…っ…」


絶頂が近いのだろう。


やがて男の眉間が強く寄り始める。


俺はそんな男の首に両手を絡ませてやると、今度はこっちからニィッと微笑んでやった。


すると徐々に男の動きが速くなって…


男は小さい痙攣の後、ア、ア、と短い呻き声を吐きながら俺の中に熱の塊を放って昇り詰めた。


上がる息もそのままに、行為が終わった後は、何事もなかったように服を整えてサロンを巻く。


汗で張り付いた前髪を指で直していると、視界の隅っこに身だしなみを整え終えた男が映り込んだ。


「よかったよ」


男はそう言って、数枚の紙幣を俺に手渡した。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ