男子寮
第13章 飛鳥×悠司 休日
悠司side
「先生!好きっ」
朝から俺の部屋に入ってきて、こんなことを言うのは一人しかいない。
「飛鳥…」
ったく…、今は7時だぞ。
せっかくの休日なのに。
と、ボーッとしていたら、いきなり飛鳥に抱きつかれた。
「な!飛鳥?」
「先生…今日遊ぼーよ」
「最初からそのつもりだろ」
テストも無事終わり、俺たち教師に、いつもの休日が戻ってきた。
「で、どこ行く?」
「俺…っ、じゃなくて、僕は~」
はぁ~…、
まただ。
俺は飛鳥から離れ、飛鳥の向かい側に座る。
「なぁ、俺の前では無理するな。俺でいいから。」
「うん、ゴメン癖で(笑)」
「俺はお前を奴隷だとも、執事だとも思ってない。」
「うん…、わかってるよ」
「ならいい。で、どこ行きたい?」
飛鳥は今までいろんな道をたどってきた。
もちろん、それは楽しいことではない。
飛鳥が転校を繰り返す理由は、飛鳥が奴隷として売られていたからだ。
沢山の人に廻され続けていたからだ。