男子寮
第17章 利央 快斗 悪夢
快斗side
朝起きたら、全身に激痛が走る。
あぁ、夢じゃなかったんだな、と思い知らせるように、体のいたるところが言うことを聞かない。
「おはよ、起きれそう?」
先に学校にいく支度を始めていた利央が、いまだ起き上がることすらできない俺に聞く。
「無理、動けない」
「けっこうヤられてたしな」
「…………。」
見られたんだ、やっぱり。
試合にいく約束をすっぽかしたあげく、疲れて帰ってきたらあの光景。
利央はどれ程辛かっただろう。
考えてたら、いつの間にか涙が出ていた。
「快斗?どっか痛いの?」
「ちが…っ、ぅあ、ああ」
声に出したら、余計に止まらない。
「病院いこうか?」
俺は軽く首を横に降る。
「ごめん、言わなきゃわかんないからさ、どうした?ん?言ってごらん?」
利央がいつものように俺の頭を撫でたとき、あの光景が走馬灯のようにながれ、反射的に手を振り払ってしまった…。
「あ…。あ、ちが、あ…」
どうしよう、
目の前にいるのは利央なのに
怖い…。