男子寮
第18章 快斗×利央 醜い感情
「利央…。俺…、その、嫌なのかもしれない。」
「何が?」
もう止まらない、
全部吐き出したい。
こいつに伝えたい。
俺の気持ちを…。
「利央が他のやつに喋りかけられてると、俺…ダメみたいで、むしゃくしゃして、イライラして、俺は、可愛くないし、髮もフワフワじゃないし、」
「うん、」
「自信なくて、怖くて。利央がどっか行っちゃいそうで、この感情がわからなくて、また怖くなった。利央が他の子に笑いかけるのみたら、心臓が苦しくなるんだ、ごめんな、」
全てを言い切ったら、勝手に涙が溢れだして、俺は利央の胸なかにいた。
「快斗、好きだ。安心させてやれなくて、ごめん。快斗、その感情の名前知りたい?」
この感情の名前…。
俺は無意識に頷いていた。
「嫉妬」
え、俺が?この、俺が?
最初は唖然としていたが、脳が納得したのか、いつのまにか気持ちが楽になっていた。
「快斗、俺の1番はお前だ。可愛くないしって、バカじじゃねぇの?快斗は世界中誰よりも可愛いし、俺だけのものだろ?」
「……っ。」
鏡なんか見なくても、今の自分の顔はきっと、真っ赤だとわかる。