男子寮
第4章 悠司×飛鳥
「なんで…。」
気づいたら、泣いていた。
俺は飛鳥の胸で、泣いていた。
「怖いんだ。」
「うん…」
「俺が居なくなっちゃいそうで…。」
ただ、俺は怖いだけ。
臆病な、弱虫だ。
「先生、悠司先生…」
飛鳥は、ギュッと俺を抱き締める。
「先生は変わらない。
僕は…、そのままの先生が
――――――好きだよ。」
「俺も…。」
言葉にすると、今まで抱え込んでいたものが吹っ切れるように、心が軽くなった。
最初からわかっていた。
ただ怖かっただけだ。
そんな恐怖心を飛鳥が
簡単に壊してくれた。
俺は、誰かに
必要とされたかった。
居場所が欲しかった。
俺を受け止めてくれる、
確かな存在が、欲しかった。
それが、
―――――飛鳥。
お前だった。