秘密の時間は私のもの
第12章 あのあとの2人
滝波は俺らのことを“恋人”だと言って引かなかった。
それに対して俺らも“違う”と言って引かなかった。
それにはちゃんと理由もあるわけで。
入学式のあの出来事には実は続きがあって
あの時、あのルールを作ったことで
俺と颯太が恋人になることはゼロに等しくなったのだ。
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「なんでも、するから!!!噂は流さないで!!」
中学で何か、それに関して嫌なことがあったのかと思うくらい
男は俺に必死にしがみついた。
その必死さに一瞬怯むも、正直、ホモにして欲しいことなんてない。
ここはきっぱりと断って、この場を立ち去ろう。
そう思うのに、男の手は震えていて
「おねが、い.....」
声さえ震えていて.....
今にも泣き出しそうなその様子に、俺の良心が抉られる。