秘密の時間は私のもの
第12章 あのあとの2人
まだ間に合う!!言え!!冗談だと!!!
「何でもするんだよな?じゃあこんなん大したことねぇだろ」
ちっがぁああああう!!!
どうしてこうも言うことを聞かない口なんだ。
男もようやく言葉の意味を察知したようでサァっと血の気を引かせた。
そこまでの顔になるなら、いっそのこと無理だと言って欲しい。
だけど思っていた以上に男は、男気があるらしい。
「いい、よ......言わないんなら、それくらいいいよ」
あっさり受け入れられ、逃げ場を失う。
嘘だろ....男とセックスとか、俺、何考え
自分を責めていると男がポツリと言葉を漏らした。
「あぁ.....でも、僕、汚れてるし、依存症だから、君の方が耐えられなくなるかもね」
あまりに悲しく寂しそうな声音に
ここに来た時、男が泣いていたことを思い出した。