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上野はもどかしそうに奥歯をぎりっと鳴らし、俺をちらりと見た。


その表情、俺には聞いて欲しくなさそうで。



......まあ、退いてやる気はさらさらねぇけどな

俺も答えなきゃなんねーし、普通に気になるし



そんな俺を察したのか上野が口を開く。



「理由が欲しかったんだよ」



それを聞き、俺がクエスチョンマークを出す中


滝波はあーっと納得し、颯太はあっとなにかに気付いたようだった。



もしかしなくても、分かってないの俺だけ？



なんでそんな状況になったか分からないでいると


上野が言葉を続けた。



「告白されて、振られた理由
何も聞かされずに、立川帰っちまったし....
俺なりに考えて、セフレってだけで振られたのは違うってかそれが理由なら
普通に立川、依存しちゃってるってことになるしとか....
だったらそれはもうないよなとか.....
そうしたら....理由、もう1つしか思い浮かばなくて
でも、それは俺にとってはあまりに酷で
“恋人”って理由の方がそれよりか幾分、俺の気持ちが楽だったから」



衝撃の事実、とまた疑問を持つ俺。



2人が付き合ってないのは上野が振ったんじゃなくて、颯太が振ったから？

なんで、そんなこと....



理由は、上野にとっては酷なものなんだろうけど。