
愛の裏側
第3章 *すれ違う心
スマホのカメラのレンズをこちらに向けて、真剣な表情で私達を撮っている。
何で…どうして…?
止めてよ、蒼くんを。
私の手首を掴んで、強引に連れてってよ。
口を塞がれたまま、制服の中に手が入ってくる。
「…んっ…ぁ…」
「藍…そんなにアイツが好き?俺に触れられてるときも考えるほど…」
私が…浅桐先輩を…好き…。
わからない。
自分のことのはずなのに。
でも、もし私が彼を好きだったとしても、
きっと彼は私のことが好きじゃない。
好きだったら…そんなことしないはずだよね?
蒼くんの手は、下に伸びようとしていた。
