闇夜に輝く
第17章 微妙な変化
「あれ?まだそんなもんか。んで海斗が百瀬を知らないってことはあいつが飛んだのはもっと前か。いつだったっけ?」
そう、増田さんが坂東さんに聞く。
「確か、ボーイが足りなくてどうしようかって言ってた時に海斗が入ってきたと記憶してます。なので入れ違いくらいのタイミングじゃないですかね」
「そう考えると海斗が入ってからだよな。忙しくなり始めたのって。お前って招きネコか?」
「イヤイヤイヤ、人間ですよ」
「たまにあるんだよ。誰か新しいボーイが入った途端に店が忙しくなったり、逆にヒマになったりってことが」
迷信じみた事を真顔で言う増田さんに坂東さんも同調する。
「確かにたまにありますよね。店の評判を左右するほど長く勤めているわけじゃないのに不思議ですよね」
そこで海斗はこれが冗談話では無いことに気付いた。
「へー、そうなんですか。なんか面白いですね」
キャリアの浅い海斗にはそのへんの機微が分からず、不思議に思っていると、それに気付いた増田さんが補足する。
「まぁ水商売って言われるくらいだからな。それだけ何がどう転ぶかわからない世界なんだよ」
その言葉に坂東さんも反応する。
「ある意味怖さもありますね。何か変わったことがなくても急に悪くなったりするんですかね」
坂東さんが増田さんにそう問いかけると、増田さんが少し考えたあと答える。
「いや、多分、普段気付かないくらいの何かしらの小さな積み重ねなんだろうな。そういうのって。だけど、気づかないからこそ流れる水のように例えられるんだと思うよ」
「なるほど。じゃぁちょっとした変化にも気づけるようにアンテナは張っておかなければいけませんね」
「中々それが難しいんだけどな」
そんなやり取りを聞いていた海斗は、ふと先程感じた違和感を思い出す。が、この会議の場で言うほどのものでもない。
けれど、これもちょっとした変化なのかと思い、自分の記憶には留めておこうと決めた。
そう、増田さんが坂東さんに聞く。
「確か、ボーイが足りなくてどうしようかって言ってた時に海斗が入ってきたと記憶してます。なので入れ違いくらいのタイミングじゃないですかね」
「そう考えると海斗が入ってからだよな。忙しくなり始めたのって。お前って招きネコか?」
「イヤイヤイヤ、人間ですよ」
「たまにあるんだよ。誰か新しいボーイが入った途端に店が忙しくなったり、逆にヒマになったりってことが」
迷信じみた事を真顔で言う増田さんに坂東さんも同調する。
「確かにたまにありますよね。店の評判を左右するほど長く勤めているわけじゃないのに不思議ですよね」
そこで海斗はこれが冗談話では無いことに気付いた。
「へー、そうなんですか。なんか面白いですね」
キャリアの浅い海斗にはそのへんの機微が分からず、不思議に思っていると、それに気付いた増田さんが補足する。
「まぁ水商売って言われるくらいだからな。それだけ何がどう転ぶかわからない世界なんだよ」
その言葉に坂東さんも反応する。
「ある意味怖さもありますね。何か変わったことがなくても急に悪くなったりするんですかね」
坂東さんが増田さんにそう問いかけると、増田さんが少し考えたあと答える。
「いや、多分、普段気付かないくらいの何かしらの小さな積み重ねなんだろうな。そういうのって。だけど、気づかないからこそ流れる水のように例えられるんだと思うよ」
「なるほど。じゃぁちょっとした変化にも気づけるようにアンテナは張っておかなければいけませんね」
「中々それが難しいんだけどな」
そんなやり取りを聞いていた海斗は、ふと先程感じた違和感を思い出す。が、この会議の場で言うほどのものでもない。
けれど、これもちょっとした変化なのかと思い、自分の記憶には留めておこうと決めた。