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闇夜に輝く

第33章 クリスマスパーティー

仕切り直すように海斗が杏奈さんと咲さんに飲み物をきく。

「何飲む?今日は洋子さんの店になってるから頼めば何でも出て来るらしいよ」

「任せなさい。私に作れないものはないわ」

洋子さんは誇らしげに立ち上がり、待ち構える。

「なんか、シャンパンとか残ってへんの?杏奈シャンパン飲みたい」

それを聞いた洋子さんは、不敵な笑いを浮かべてからカウンターの下の冷蔵庫をゴソゴソと探す。

「ジャーン!モエネクあったよ!」

「あー!それ飲みたい!」

モエさんのお客さんでシャンパンだけ入れて帰った客がいたのだ。
そのお客さんは家庭があってクリスマスは早めに帰らなきゃ行けなかったのにどうしてもモエさんに会いたくてほんのちょっとだけ来ていた。
なのでまるまるモエネクが残ってしまっていたのだ。

その他にも モエ白、ドンペリ白、などが残っていたが、この二つはキャストからは不味いと不評だ。
客の前ではそんな素振りは一切見せないが。

人気はモエネク、ヴーヴイエロー、ヴーピン、ピンドン、ドンペリエノテーク、クリュ あたりは美味しいとみんな言う。
これだけ毎日のようにシャンパンを飲んでいるキャストが言うのだから間違ってないと思うが、飲み慣れない海斗にはその微妙な違いはまだよくわからない。

海斗は洋子さんと杏奈さんを中心に、咲さん、真紀さん、サラさん達とバカな話で盛り上がる。
時々、杏奈さんは思い出したかのように西野さんにイタズラを仕掛けにいく。
増田さん達の席に笑いが起こり、それに気付いた優矢くん達も笑っていた。

アフターに行った子達が戻ってくるか、そのまま帰るのか確認できるまでこのクリスマスパーティーは続くのであった。

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