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闇夜に輝く

第34章 海斗の変化

だけどキャストもこの割り切った考え方をなかなかできない。

なぜならそれまで営業、同伴、メール、接客と頑張ってきた。そのお陰で自分の給料も上がる。
それを手放す事に未練を感じてしまうから。もうちょっと頑張れば指名が続くんじゃないかと思ってしまう。

ただそう思い込みすぎてしまうと、キャストが客に振り回され始め、仕事とプライベートの線引きが困難になってくる。
そのうち客のわがままを聞かざるを得なくなる。
そうして付き合っている振りだったはずなのになぜか本当に付き合っている様な感覚に陥り、なぜこんな人に好きだと言われ続け、身体を迫られ続けなければならないのかと悩んでしまう。

そして断り続けるのが限界に達して、一度だけ一線を越える。

すると途端に今までの立場が逆転してしまう。
客に俺の女になったと上から目線や態度に出られる事もあれば、一度のセックスで満足してヤリ逃げされる場合もある。

そして今度はキャストがその客を追う番になってしまう。
なぜならわざわざ身体まで売ったのだから何とか店に来てもらおうと必死になるから。

こうなるとキャストに余裕がなくなる。それが客からは余計に下から目線に映り、ぞんざいな扱いをされる様になる。

そのうちキャストは精神を病む。

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