闇夜に輝く
第37章 裏引き
「はい。わかりました。俺はどうしてもキャストと砕けた感じの世間話が苦手で、そこの重要性をあまり認識していませんでした。世間話をする意味は、仲良くなって言うことを聞いてもらいやすくするためだと思っていました」
「もちろん、その目的もある。無理をお願いすることも多いしな。だけどそれだけじゃないんだ。つかさの場合、心配な事がもう一つある。さっき裏引きが目に余るといったよな」
「そうですね。どうにかしてもう少し来店に繋げさせれればいいんですけど…」
「それもなんだが、あいつの客って不良っぽいのが多いだろう。トラブルにならないか気になってたんだ。近いうちその辺のこともそれとなく探っておいてくれ」
「はい。でも、裏引きだと、店の外のことなのであまり深い話はできないと思います」
「そうなんだよなぁ。うるさく言うと反発されて余計に店に呼ばなくなる可能性もあるからなぁ。でも何か引っかかるんだ。器用なタイプには見えないから上手に客を手玉にとれると思えないんだよ」
「はい。その辺の事も含めて今後のミーティングの仕方を変えていきます」