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闇夜に輝く

第46章 黒服と担当キャスト



海斗は頭に入っている先月のデータを思い出していると、また増田さんが話し始めた。

「まず、執行部に突っ込まれたのは海斗の担当キャストが2位〜5位まで独占していることに加えて、8位と10位にも入っていることだ。つまり、トップ10に海斗の担当キャストが勢揃い。執行部の一部からは、俺が意図的に海斗へ多く管理手当が渡せるように優遇していると思われた。だから、海斗が担当し始めた時期と現在の指名の伸び率をちゃんと調べてくれとお願いした。実際には担当し始めた時、最初からAランクキャストだったのは杏奈だけなんだよ。後は新人だったりBランクだったんだ。振り分けは極めて妥当だったことは取り敢えず証明された」

「そうだったんですね。まぁ、先月は最初からみんな頑張ってましたからね。しっかりと送別会や昇進祝いなどでプレゼントを用意したりして、顧客の心を掴んでいましたから。でも、その分、店の総売上は高かった筈ではないんですか?問題になる程、俺を含めて人件費が高かったということでしょうか」

「いや、売上は過去最高だ。グレイスフルに迫る勢いだった。利益率で言えば系列店中、断トツでトップだ。ただな、ゲスの勘ぐりをする奴は必ずいるんだよ。今問題になっているのは海斗が枕管理してるんじゃないかという疑いだ」

「まくら…?」

「早い話が風紀だな。自分の女にして馬車馬のようにキャストを働かせているんじゃないかってな」

ボーイと担当キャストという関係は色々な形がある。
基本は上司と部下というような関係。

そこから派生した関係としては、担当キャストが一方的に黒服に惚れてその黒服の為に頑張る関係。
いわゆる色管理。
そこまでは問題はない。風紀にも当たらない。


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