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闇夜に輝く

第11章 優矢くんの秘密 〜約一年前の出来事〜

呆れた様におっちゃんが補足する。

「要は俺のオヤジが北条組の若頭補佐に格上げになったから、それに伴ってこのおっちゃんこと後藤忠志も北条組系の中で上位になったんだよ」

「えー?それってすごくない??それからこの山下さんって誰?」

「おまえなぁ、俺のオヤジの橋本組長は知ってるよな?」

「うん、この街の繁華街を仕切ってる人でしょ?」

「だよな。お前らみたいな半端なガキが絶対に近づいちゃいけないのが橋本組長ってのは常識だろ?それが俺のオヤジ。んで、山下さんはな、その橋本さんの兄貴分にあたる人で、お前なんかが早々お目にかかれる人じゃぁないんだよ。それに小松崎さんはその山下さんの親分にあたる二代目北条組組長なんだぞ。そもそもあの人が組織の中でどんなに偉い人か知らないだろう。俺にとっては雲の上の上の存在だよ。だって北条組のさらに上の朝霧一家のナンバー2も兼務してるんだから。朝霧一家と言えば都内最大の組織だろ。つまり都内の繁華街のほとんどの利権にあの小松崎組長が関わってるてことなんだぞ」

「うーん。俺、そんな人に意見しちゃったのね。よかった、あの人のパンチをよけないで」

そこまで話してもアッケラカンとしている優矢を見て、がっくりと肩を落とす後藤新組長。
この能天気なガキの今後が心配になった。

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