ドロップ・オブ・ロゼ 〜薔薇の涙〜
第9章 二人だけの卒業旅行
「あの…その情報、って…」
千「…調べたんだ。自分で。」
「そ、そう?」
てっきり、アイツに言われてんのか、と…
取りあえずは胸を撫で下ろす。
千「どうか…した?」
「あっ!!いや、どう使うのかな?…なんて?」
…知ってるけど。
それも何故かアイツにレクチャーされた。
具体的に教えてやる、と言われ、俺のカラダで実践されそうになって、それは、断固拒否した。
流れで、掘られることになったら怖いし…。
経験あんのか、ってぐらい詳しいのが怖いけど…。
千「あの…」
俺の向かいで正座し、俯く千陽さん。
千「どう…する?」
ヤるのかヤらないのか、ってこと、だよな?
不安そうに小首を傾げる彼に近づく。
「あの…」
千「うん。」
「痛くしないで、って言ってたけど、痛くしたらごめん。」
返事がないことに不安を覚えて顔を上げた。
千「圭太…。」
え……!
突然唇を奪われる、という、不意討ちを食らわされる俺。
千「…いいよ?」
誘うみたいに潤んだ目。
赤くて濡れた唇。
千「少しぐらいだったら我慢するから…。」
俺は堪らず、羽織った浴衣を肩から落とし、華奢な体を抱き寄せ、キスをした。