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神隠しの杜

第1章 迷い子




【神隠し】



子供、娘などが、突然行方不明になる事。山の神や天狗などの仕業とされた。



服喪中神棚を白紙で隠す事。






あかあかと見事に咲いた彼岸花がえんえんと道の両端に連なっていて儚く綺麗で、それが同時に禍々しくも感じられる。



途切れる事なくずっと先まで続く彼岸花の道。



鳶色の髪を風に遊ばせながら少年はひたすら歩いているのに、どこまで行っても同じ景色が続くだけ。



こうも変化がないと嫌な予感しかしない。



「同じ場所をくるくる回ってるだけ、だよな……」



足が疲れても、足を止められず歩き続ける。



今の現状を認めたくない気持ちと、足を止めたら最後――もう、歩きだせない気がした。



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