神隠しの杜
第14章 繋いだ命の対価
そして、少女は緋葉を見ると華のように笑った。
「緋葉を苦しめるもの、縛るもの、すべて壊したわ。ねぇ緋葉、あなたを傷つけるものすべて、壊しましょう……?わたし、人身御供にされるあなたの匂いを識って気に入ったから、欲しくなったの」
それから、少女はこう言った。
「あなたの命をわたしが助けてあげる。そのかわり……あなたは神隠しとなり、ヒトを呼びヒトを神隠しへと変えうるものとなる。――冬音を、助けたかったらどうすればいいか……あなたならわかるでしょう?」
雨芭が叫ぶ。
「駄目だ!!!」
緋葉は答えない。冬音は雨芭を逃がせなかったショックからか、何も届いていないようだった。
緋葉は前を見据えはっきりと頷く。
「わかった」
雨芭はなんで、と唇が震える。そのままゆっくりと姿は消えていき、残ったのは緋葉と少女と、冬音。
「ふふふふふ……裏切りは絶対許さないから」
緋葉は神隠しとなった。
どこにも還れないものとして。
「緋葉を苦しめるもの、縛るもの、すべて壊したわ。ねぇ緋葉、あなたを傷つけるものすべて、壊しましょう……?わたし、人身御供にされるあなたの匂いを識って気に入ったから、欲しくなったの」
それから、少女はこう言った。
「あなたの命をわたしが助けてあげる。そのかわり……あなたは神隠しとなり、ヒトを呼びヒトを神隠しへと変えうるものとなる。――冬音を、助けたかったらどうすればいいか……あなたならわかるでしょう?」
雨芭が叫ぶ。
「駄目だ!!!」
緋葉は答えない。冬音は雨芭を逃がせなかったショックからか、何も届いていないようだった。
緋葉は前を見据えはっきりと頷く。
「わかった」
雨芭はなんで、と唇が震える。そのままゆっくりと姿は消えていき、残ったのは緋葉と少女と、冬音。
「ふふふふふ……裏切りは絶対許さないから」
緋葉は神隠しとなった。
どこにも還れないものとして。