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ドラクエらんど

第15章 ひなた王子

オレはグールのそばに携帯電話が落ちてないか視線を落とした。



「え……」



倒したはずのグールがいない。
確かにさっきまでここに倒れていたのに…。



「お待ちください、殿下。またそのようなご冗談を…」

「は? 冗談じゃねぇって」

「ひなた先輩、携帯ならここに…」



窓際にいたゆりがオレの携帯電話を拾おうとした時だった、



『ガアァァァァァッ!!』



突如、開いた窓からグールが現れた。



「きゃああああっ!!」

「ゆりっ……!」



オレが動くよりも早く、コスプレ男の剣がグールを斬り裂いた。



──早い!



胸を斬り裂かれたグールはそのまま後ろに倒れ、地面に落下していく。



「皆さん、危ないのでお下がりください!」



オレは急いで携帯電話を拾うと、ゆりを連れてつくし先生とやんすのもとに移動した。
コスプレ男は次から次へと襲いかかってくるグールを一撃で倒していく。



「戦い慣れしてるな…あいつもプレイヤーなのか?」

「ひなた先輩、あの人…テレポートしてきたみたいに、ほんとに突然現れたんですっ!」

「テレポート…?」

「私も見たわ。ただのコスプレしている男ではなさそうね…」

「ですよね、ですよね! てゆか、もしかしたらあれは《ルーラ》を使ったのかもしれません。彼は恐らく魔法が使える剣士…?」



やんすの言葉を聞いて、オレはすぐさま携帯を開いた。
自分の職業を確かめるために。



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