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秘密の兄妹

第12章 募っていく想い

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チュンチュン



朝になって目を覚ますと、私のベットの横で座ったままの状態でお兄ちゃんが眠っていた。



…まさか、ずっと側にいてくれたの…?



「……しおり…?」



私がお兄ちゃんの顔を見つめていると、お兄ちゃんは目を覚ました。



お兄ちゃんは起きるとすぐさま私の額に手を当てる。



「…熱、だいぶ下がったな……」



「うん、もう平気だよ。すっかり元気になった。」



私は笑顔で答える。



「でも、一応、今日は学校休め。お前かなり無理するタイプだから、またぶり返す可能性がある…」



「…本当に平気なのに…」



「だめだ、休め」



「ふふっ」



「何で笑うんだ?」



「だって変なんだもん。こんなに私のこと心配してくれるお兄ちゃん、いつものお兄ちゃんっぽくない」



「…………」



…確かにそうだな…



「でも、嬉しいからいいや…」



幸せそうに笑う紫織



「ねえ、お兄ちゃん…学校は休むけど、ごはんは作ってもいい?今日は外出しないで冷蔵庫にあるものだけで作るから一緒にごはん食べよう?」



「私、お兄ちゃんとごはん食べてるとき、すごく幸せなんだ」



「…分かった、一緒に食べよう」



俺は紫織のベットに腰かけると紫織を抱きしめた。



……離したくない……



誰にも渡したくない…



でも、こんな生活いつまでも続けるわけにはいかない



俺じゃ紫織を幸せにしてやれない…



俺の心の中に深い悲しみが広がっていった。







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