秘密の兄妹
第12章 募っていく想い
―熱が下がって2日たった夜―
トントン!
「お兄ちゃん、ちょっといい?」
紫織が俺の部屋のドアをノックする。
「何だ?入っていいぞ…」
紫織はドアを開けると、申し訳なさそうな顔をしている。
「あのね…せっかく風邪が治ったのに生理になっちゃったの……。だから1週間はお兄ちゃんの相手できない……ごめんね…?」
「…別にいいよ、気にすんな…」
俺は試験勉強のために開いていた英語の教科書と辞書を机の端に寄せて、片付けた。
「…怒ってない?」
「何で?」
「だってお兄ちゃんに我慢させちゃってる……」
紫織は不安げな表情を見せる。
「怒ってないよ。紫織、こっちに来い…」
紫織は俺の座っている勉強机のイスに近づいてくる。
「なあ紫織…キスしてもいいか?」
「…お兄ちゃんどうしたの?そんなこと私に確認するの初めてだよ?」
紫織は首を傾げる。
「私はお兄ちゃんのオモチャなんだから、好きにしてくれていいんだよ」
「…………」
何の疑問も持たずに、そんなセリフを平然と言う紫織
そんなセリフを言わせているのは俺だ
紫織をそう躾たのも俺だ…
俺は黙ったまま紫織の顎に手を添えると、紫織に口づけをした。
「ふぅ…んぅ…くちゅ…んっっ」
舌を絡ませ合って、お互いの唾液を交換しあう。
紫織から唇を離すと、2人の唇から銀色の糸が伸びる。
「はぁ…はぁ…」