秘密の兄妹
第12章 募っていく想い
行為を終えて、俺は紫織の制服を整える。
「制服、今のでどこか汚したところないか?」
「ううん、大丈夫…」
紫織はそう答えると俺の顔をじっと見つめる。
「…朝からセックスしたこと、怒ってるのか…?」
「…どうして?私がお兄ちゃんのこと怒るわけないじゃない…」
「じゃあ、何で俺の顔、そんなにじっと見るんだ?」
「…特に意味はないよ……」
紫織は少し顔を俯かせると立ち上がる。
「じゃあ、学校行くね。今日は少し遅れちゃった…お兄ちゃんも早く来てね。」
俺にそう言って優しい顔で微笑むと、紫織はリビングを出て学校へ向かっていった。
「…………」
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「やべえ、すげえ腹へった!!今日は俺、Aランチにしよう!…いや…Bランチも捨てがたい……」
「俺はラーメンかな…」
大地と風磨が食券の発券機の前で、今日の学食のメニューを見ながら食べるものを選ぶ。
…俺は今日はカツ丼の気分だな……
「…あっ、お兄ちゃん…」
声をする方向を見ると、紫織が友達の由香と一緒に食券を買うために、俺たちの後ろに並んでいた。
「よう!紫織ちゃんじゃん!!相変わらず悠人に似ず可愛いね!!ほら!悠人は格好はいいけど可愛いげはないから…」
大地が俺の肩を組んでそう言うと、紫織はくすっと笑った。
「でも、可愛いげのあるお兄ちゃんだったら変かも…」
「「…………」」
紫織があまりにも可愛らしく笑う姿を見て、大地と風磨が黙る。