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秘密の兄妹

第14章 罪と罰



―翌日―


あ…まずい、古語辞典忘れた…



…紫織にでも借りに行くか……



俺は席を立つと1年の教室へと向かった。




******


紫織の教室に行くと、紫織はいなかった。



「あっ、高瀬先輩…」



…なんだ…紫織の友達の由香か…



「紫織に古語辞典借りに来たんだけど、紫織は?」



「紫織はさっき、サッカー部のキャプテンに呼び出されて出ていきましたよ。古語辞典なら私のを貸しましょうか?」



「…ああ、じゃあ、悪いけど借りてもいいか…?」



俺がそう言うと、由香は後ろのロッカーまで行って古語辞典を取り出し、俺に差し出した。



「どうぞ…」



「…どうも。…紫織、また告白されてんの?」



「違います。前からサッカー部のマネージャーの誘い受けてて、それを断りに行ってるんです。

他にも、バスケ部、野球部、剣道部、いろいろなところからオファーが来てて…

ほらあの子、よく気が利くし、面倒見がいいから。

それに可愛いから、紫織がいるだけで男子部員の士気があがるでしょう?

だから、いろんな部から引っ張りだこなんです。

でも、紫織は見事に全部断ってますけど。」



「ふうん…」



俺が興味なさげに答えると、由香が俺を睨み付ける。



「【ふうん…】って何ですか!?紫織は全部、高瀬先輩のために断ってるのに!!」



「…は?何だよそれ…どういうことだ…」



俺が少し疑問に思って由香に尋ねると、由香は怒りながら口を開く。







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