秘密の兄妹
第16章 壊れかけの心
「おはよう、風磨、大地…」
「おはよう、悠人」
「はよ!悠人!」
「じゃあ、大地、そういうことでよろしく…」
「ああ、任せろ!!さっそく行ってくる!!」
風磨が大地にそう言うと、大地は教室から出ていった。
「大地と何の話してたんだ?」
俺は自分の席につき、隣の席の風磨に尋ねる。
「…ちょっとな。それより、今日、紫織ちゃんは学校休み?」
「ああ…あいつ学校に来るつもりでいたけど、何とか説得して休ませた。」
「そう…
紫織ちゃんの体とかに何か変化はあったか?」
「今はまだ分からねえ。
昨日は早めに寝たし、今日は朝しか紫織に会ってないから…」
「…何ともなきゃいいな…」
「…ああ」
――――――
――――
――
昼休みになって、学食を食べながら、俺は風磨と大地に聞く。
「なあ、アキラたちって何組だっけ。
紫織のこと、ちゃんと話つけておきたいんだけど…」
「アキラたちなら、帰った…」
「え…」
Aランチのハンバーグ定食を食べていた風磨が、お茶に手を伸ばしながら答える。
「3人とも、3限に帰った
たぶん、あいつらしばらくは学校に来ないと思う…
まあ、いわゆる自主停学みたいな感じ?」
「何で…?」
俺がそう聞くと、大地が立ち上がり、俺にニイッと笑いかける。
「風磨、じゃあ、俺ちょっとお礼の挨拶行ってくるな!」
「ああ、頼む…」