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箱……弐

第1章 箱

冬になり……



独り身の不安は…



寒さとなって…



背中をゾクゾクさせる…





家族が一緒なのに……



ちっとも―――――…




暖かくない――――――…






「花子……母さん……」



「はい、はい…」





「花子……花子…」




「はい―――…はぃ…」









「花子――――――…」





父の…かすれた声が…








私の睡眠と人生を――――…





奪っていく――――――…







「花子――――――…寒い」







私は……



返事をしなかった――――…



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