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箱……弐

第1章 箱


私は…父と母の…


生きているだけでもらえるお金で――――…



生きているだけ――――…




「お父さん――――…長生きしてね…」





「お母さんも、長生きしてね…」






私は、母のオムツを替える…







母の手足は…すでに細く…



枯れ木のようにシワシワでカサカサ…





かつて…私を抱き締めてくれた安心感のある腕は…



見る影もない…






「母さん―――――…痩せたね…」




「――――――…」




母は、寝ているのか…




会話はない…




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