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お味噌スープ

第16章 ホスト初出勤

3時前になり全員でミーティング


幹部達の自己紹介を聴いて小木曽さんから一言


小木曽「俺は現場に居ない人間だから何も言えないけど、みんな頑張ってくれ」


小木曽さんはてっきり店に居るもんだと想ってたからなんか変な感じだった


そして店がオープンした


新規の店なのもあって、オープンから10分で満卓になった


古株達の客や新規のお客さんで賑わっている


とりあえず何していいか解らないので古株達のヘルプについた


言葉を失ったと同時に心が折れた


卓についても何も出来ない、ただひたすら酒を呑むだけ何にも面白い話しすら出来ない


幹部達は客を笑わせ客を魅了している


一時間前に対等とかほざいた自分が恥ずかしくてしかたない


何が対等だ?何が偉そうだ?


よくそんなことが言えたなと自分を殴ってやりたい


そんな気分になった


暫くてんてこ舞になりながら仕事をしていると新人達が一人ずつ代表に呼ばれる


俺も呼ばれた


前田「なに?」


代表「源氏名を決めるの忘れましたので今日は適当に名のってください、明日までに名前を決めといてください」


なんだそれ?


そんなもん今更言うなよ


なんにも出来ない自分にイラつきながら戻った


戻っても未だになにも出来ない自分


お客様に「不細工に用ない」「つまんない」そんな言葉ばかり言われ人生でこんなに凹んだ事はないよ!って言うぐらい凹まされた


初日の営業を終えミーティングが始まった


ほとんど潰れていて5人だけのミーティングが始まった


やる意味あるの?って聞きたくなるぐらいのグダグダミーティング


そのミーティングを終えると長かった一日目が終わる


非常階段で潰れている柳原と市川を起こして帰ろうとしたら専務取締り役の一ノ瀬竜也が話しかけてきた


竜也「お前すげー呑めるな!明日も俺の卓でボトル空けてな」


前田「まぁな。お疲れ!」


こいつの卓で呑んだ事すら覚えてない


酔っぱらったから覚えてないわけじゃない


どうしていいかわからなすぎて何にも覚えてないのだ


柳原と市川をタクシーにのせておれは車でそのまま寝てしまった


なんて情けない一日だったんであろう・・・

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