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second girl【完】

第8章 願い

五郎の顔が歪んで私に近づく。




いつもの五郎だったら笑っているのに、そんな顔をする五郎は知らない。




私は思わず、後退りをしたけど、あっさりと後ろの壁にぶつかり、五郎の視線に捕まった。









「したって言ったらどうする?」




「え?何が?」




「何が?じゃなくて、心配したって言ったら?」







五郎の口角が上がり、私の腕を掴んだ。





五郎の手から熱が伝わってきた。





きっと五郎は酔っているんだぁ…

自分に言い聞かせて、冷静に振る舞おうと笑いながら






「どうしたの?五郎らしくないじゃん」


「……らしくないかぁ……そうかもなぁ」







五郎の瞳が揺れた。


しかも近い距離でそれを確認した時には、五郎の唇が私の唇を塞いでいた。



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