春雪 ~キミと出逢った季節 ~
第13章 2人の秘密
「ヨーロッパで出会ったとか言ってたから、外国人だと思ってたのに
姉貴と同じ22歳で、しかもこれから社会に出る新卒だよ?
も~俺頭にきちゃってさ。
別に子供出来たとかでもないのに、早すぎるだろって」
13歳のガキだったからねと言って、ユキが笑う。
「だけど、あの姉貴を生んだだけあって
イイ男捕まえたな~って手を叩いて喜んで
父さんも母さんもあっさりOK出したんだ」
「…………」
「直感で判断する人達だからね。
俺の誕生日の1日前にしようとか、その場で勝手に盛り上がって
3月31日に、本当に入籍したんだよ」
……ユキのご両親と、お姉さん。
話を聞いているだけで、楽しそうな笑い声と笑顔まで浮かんでくる。
ぶっ飛んでるって言ってるけど、ユキの家族だ。
きっと素敵な人達に違いない。
「直前まで反対してた身としては、他人を貫きたかったんだけど
ダサいことに、俺まであの人の魅力にヤラレちゃった」
「………!」
「歳が離れてるのもあって、俺、昔から姉貴の後ろばかりくっついてたから。
……結局
姉貴が好きなものは、俺も好きになっちゃうんだよね」