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春雪 ~キミと出逢った季節 ~

第3章 8年めの片思い

「蓮見、ちょっといい?」



ガラス張りの会議室で、企画部のミーティングが終わると


タブレット端末を操作しながら、遼くんが私を呼んだ。



「お前、次出社するのって金曜だっけ」

「はい、明日と明後日は大学に……」

「社員昇格についての、部長との面接。
日にち確定してないけど、俺も同席することになったから」

「…………!」



わわわっ、ついにきた……!


今朝沙月にも言われた話を思い出して、ゴクリと唾をのむ。


で、でもなんで遼くんが……



「りょ……加賀谷さんも……ですか?」

「俺のアシスタントみたいなもんじゃん、お前。
普段の勤務態度や適応能力とか、事前に部長に報告してたんだよ」

「え!? そ、そうなんですか……!」



知らなかった~~!


でもそうだよね、今遼くんが言った通り


ここでの仕事といえば、デザイン画をCADに起こしたり、業者さんや工場との段取りをしたり


遼くんの実務もそうだし、企画部全体の秘書みたいな感じだもんね。

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