春雪 ~キミと出逢った季節 ~
第5章 誘ったのは、私です
『……怖がらないで』
『…………!』
『酷いことはしない』
どっちが大人なのか……自分が年上ってことを忘れてしまいそうな
柔らかくて、優しい声。
『桜の花を見上げていた……あんたの目が
すごく悲しそうだったから』
『…………!!』
『……ちょっと、感情移入して
離したくなくなった』
………感情移入?
私に覆いかぶさる、彼の瞳に
一瞬、切なさが宿ったように見えた気がした。
『…………』
間接照明が反射して、揺れるその色が
妖艶で、綺麗で
体の一番深いところが、熱く燃えるような感覚に襲われる。
『……最後までしないから』
ハッと我に返った時には、濡れた髪が私の胸をくすぐらせていて
ユキの唇が、膨らみの先端を含んだ。
『……あっ、い、いや……っ』
『あんたは、ただ感じてくれてればいいよ』
『待って……ん、あ、あ……』
『足開いて、先生』
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