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アシンメトリーと君

第2章 日常

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「――あっ・・・い、なばかいちょ・・・!らめっ!
そんなッあっ、はげしっ・・・あっ!」


昼休み。

空き教室の窓の外からは、学食へと向かう者や移動教室から帰ってきた者たちが騒いでいる声が聞こえてくる。

その様子をしり目に、ここでは濡れた音が響く。


「ん?
駄目なのか?ならやめようか?」


そう言って俺は、激しく動かしていた腰の動きを止めた。
ふっと息を吐くと下りてきていた髪を軽くかき上げ、汗を拭う。


「そ、そんな・・・!
イきたいですっ!イかせてください・・・」


並べられた机の上で俺に組み敷かれ自ら必死に腰を擦り付けてくるのは、顔も名前も記憶は朧気な下級生だ。
確か、風紀委員の男子生徒だっただろうか。


「生徒会長・・・お願いしますっ・・・イかせてぇ・・・」


額に汗で前髪を貼りつかせ、頬を赤らます。
これでもかと女性の様にあざとく目を潤ませながら、さり気なく俺の首に腕を回し、懇願する。

どうしてここまで必死になれるのか――。

生徒会長というものは、まあストレスが溜まるもので。

日頃の学校生活に加え、毎日大量にやってくる生徒会業務。
生徒や教師からの絶大な信頼とプレッシャー。

このストレスは日々溜まっていく。

だから週に数回、主に好意を寄せてくる生徒会執行部の男子生徒を巧みに操り、こうして抱いてはストレスを発散している。

生徒会以外の生徒は収集がつかなくなってしまいそうだし。
女子は妊娠したら面倒だし。

そして今―――


「うぅ・・・止めちゃイヤですっ・・・!
もっと・・・激しくやって――」


こうしてストレス発散中だ―――


男が腰を振るごと、クチュクチュといやらしい音が零れる。
俺をその気へと戻したいのか、今度は中を必死に締め付けてきた。

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